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更新日 2015/07/27

借りられなかった10

子供のころは「神童だった」という人がいるが、私は子供の頃からいたって

平凡で、おまけに勉強ができない子供だった。

 


14-6 この問題は私を恐怖に陥れた。 4から6を引けないからだ。

授業では、「こんな時は、隣から10を借りてくる」と習う。でも

「人のものを借りるときは、黙って持ってきてはいけません」といわれていた私は

この10に、どう言って貸してもらおうか…とドキドキするのだ。みんなは、

どうしているんだろう?  この10が怖くてケチな10だったら?そもそも

10の位には10しかないのだから、貸してくれないだろう…どうしよう…

途方に暮れていたその時、閃きが走った。 「そうだ、10借りようと思うから

いけないんだ。6が引ければよいのだから、10のうち3を借りて1の位を7に

すればいいし、10だって残りは7もあるから怒らないだろう」 結果、

14-6が71という答えになるのだが、そんなことはどうでもいい。

とにかく、10を怒らせることなく平和裏に問題を解決できたことで満足だった。

 

私にはこのような、友人に話しても「私もそうだったよ」と共感してもらえない

エピソードがいくつかある。

 

カマボコは、木になるものだと思っていて、デパートで実演販売を見たときには

しこたま驚いた!! だいたい、子供が蒲鉾を見せられて、魚のすり身だと思うだろうか?木にくっついているじゃないか。木になるものだと思って何が悪い。

なのに、「え~、そんなこと思わないよ」と一蹴される。

 

お月さまだって、形の数だけ存在すると思っていた。お昼頃、お月さまが集まって

「今日は誰が上がるか」を会議するのだ。だから理科の授業で、月の満ち欠けを

学んだ時には、驚天動地の事件だった。

今でも「お月様会議」は、ひっそりと行われているんじゃないかと

ちょっぴり思っている。地球は平らだと、今でも信じている人がいるように。

 

今は夏休み。1学期の遅れを取り戻すべく、復習に取り組むお子さんもいるだろうが、どうか、お子さんが不思議な回答を導き出していたら、ただバツをつけるだけでなく、叱ることもせず、まずは聞いてあげてほしい。「どうして、その答えなのか」を。

 

 

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